夏の必需品となったハンディファンですが、ハンディファンによっては飛行機への持ち込みや預け入れができないものがあります。
その判断で重要なのが、
- 充電式か電池交換式か?
- 充電池(リチウムイオン電池)の場合には、ワット時定格量
- 電池の場合は、電池の種類
- リチウム電池の場合はさらにリチウム含有量
です。
本記事では、このような情報によって、ハンディファンが持ち込み可能か、預け入れ可能かのルールをやさしく解説しています。飛行機による夏の旅行時の参考にしてください。
ハンディファンの持ち込みと預け入れのルール
充電式のハンディファン(携帯扇風機)に内蔵されているリチウムイオン電池の「ワット時定格量」が 160Wh 以下であれば、飛行機内への持ち込みおよび預け入れが可能です。
ワット時定格量って何?
簡単に言えば、ワット時定格量はバッテリーがどれだけのエネルギーを蓄えることができるか、別の言い方をすると、どれだけ長時間バッテリーが使用できるか、を表しています。
つまり、この値が大きいほど、一度の充電でハンディファンが長く使える、ということになります。
ワット時定格量はどうすれば分かる?
書いてあるとすれば、ハンディファン自身(裏側など)あるいは取り扱い説明書に書かれていますが、私自身はこれまでにワット時定格量が書かれているのを見たことがありません。
代わりに、定格定量(Ah)と定格電圧(V)は記載されていることが多く、ワット時定格量はこれらの値から次の式で計算できます。
ワット時定格量(Wh)= 定格定量(Ah)× 定格電圧(V)
例えば、定格定量 2000mAh、定格電圧 3.7V の場合は、
2Ah x 3.7V = 7.4Wh(1000mA = 1A)
となります。
7.4Wh は 160Wh 以下なので、このハンディファンは持ち込み・預け入れともに可能ということになります。
預け入れのときの措置
預け入れのときは次の措置を求められることがあります(ANA、など)。
- 電源を完全に切ること(スリープモード不可)
- 偶発的な作動や損傷を防止するための措置をとること(スーツケースへの梱包、衣類などによる保護など)
このような措置が必要なのは、リチウムイオン電池が振動や衝撃によって発火する危険性が高いからです。
措置を求められたときは、飛行機と乗客乗員全員の安全のため、ぜひ措置を行ってくださいね。
充電式でないハンディファンは?
使い捨ての電池を入れ替えて使用するタイプのハンディファンの場合は、使用する電池のタイプによって持ち込み可能か、預け入れ可能かが決まります。
電池のタイプ | 持ち込み | 預け入れ |
---|---|---|
乾電池 | OK | OK |
ニッケル水素電池 | OK | OK |
ニッカド電池(ニカド電池) | OK | OK |
リチウム金属電池 | 条件による | ✕ |
乾電池、ニッケル水素電池、ニッカド電池は、持ち込み、預け入れともに可能です。
リチウム金属電池(リチウム電池)の場合は、電池に含まれているリチウムの量(リチウム含有量)が 2g 以下であれば、持ち込み可能です。
リチウム電池の預け入れは、リチウムの含有量関わらず不可です。
リチウムの含有量が分からない場合は、次の式でおおよその量が計算できます。
リチウム含有量(g)≈ 容量(Ah)× 0.3
例えば、容量が 2000mA のリチウム電池には、0.6g のリチウムが含まれていることになり、この場合は持ち込み・預け入れともに可能となります。
航空会社によってルールは異なる?
本記事は「国際的なルールに基づき設定している航空法及び関係規則」を元に作成された情報をもとに記述されています。
このため、どの航空会社でも基本的には同じルールが適用されますが、航空会社によってはより厳しいルールを設けている場合があります。
気になる方は、航空会社のWEBサイトにおいて確認することをおすすめします。
まとめ
本記事では、ハンディファンの飛行機内への持ち込みや預け入れのルールについて分かりやすく解説しました。
まとめると、持ち込みおよび預け入れが可能なハンディファンは次の条件を満たしていること必要です。
- リチウムイオン電池を内蔵しているハンディファンは、ワット時定格量が 160Wh 以下であること
- 電池交換式のハンディファンは
- 電池がリチウム電池以外であること、または
- リチウム電池のリチウム含有量が 2g 以下である(ただし預け入れは不可 )
空港でハンディファンの持ち込みを拒否され没収されることのないよう、あらかじめ調べておくことを大切です。
本記事が、その際の参考になれば幸いです。